(社友会誌へ投稿)
                     超高齢者の悩み事
                                             平成30年7月20日
                                                                                      八木 真之助


 私ごとで申し訳ないが、今年7月の誕生日で満84歳の超高齢者仲間入りをした。人生80歳を過ぎて超高齢者の部類に入ると、肉体的に次から次へと色々なトラブルが起こるものである。2年前の高齢者対象の一般健康診断では、何の気なしに申し込んだ"前立腺がん検診"で前立腺がんが発見され、現在もがん治療中である。幸いなことに他への転移はなく、非常に安定している。(前立腺癌については、詳細を一昨年の菱交会ホームページに投稿したので興味のある方はご覧ください)
 
  次のトラブルとしては本年の3月2日に夜半呼吸困難となり、救急車で病院へ搬送されたが、軽度の急性心筋梗塞と診断されて、12日間の入院を余儀なくされた。入院中に色々検査した結果、腎不全症があることが分かった。心筋梗塞の原因としては、心臓の冠動脈がどこか詰まっているか、細くなっている箇所があるのではないか?ということで、カテーテル検査を実施するために血液検査をした処、腎臓の機能が低下していることが発見されて、このままカテーテル検査を実施すれば間違いなく透析になってしまうということで、この検査は今回中止されて退院を許された。
 
腎臓については数年前から血液検査の結果、腎臓の機能の低下を先生から言われていたが特に気にせず、何の処置も取って来なかった。腎臓機能を表すのにeGFRという数値があるが、この数値が60以下の場合には慢性腎炎として要注意とされる。この数値が15まで低下したら透析の準備をする必要があると言われている。さらに10まで低下すれば、間違いなく透析開始となるということである。現在の私の数値は16~17程度となっている。さて、腎臓とはどんな仕事をしているものなのか、ここで少し勉強して置きたい。

 腎臓は腰の上あたりに、お腹の後ろ側に背骨を挟んで左右に一つずつ付いており、形はそら豆に似ていて、重さは一つ120~160グラム、大きさは握りこぶし位のものである。一つの腎臓は、ネフロンと呼ばれる特殊な構造を持つ糸球体が100万個集まって出来ている。腎臓の最も大切な働きは、体内にたまった老廃物や余分な水分を体外へ排出して、血液をきれいにすることである。そして最終的には老廃物と余分な水分が尿となって体外へ排出される。更に腎臓は血液のろ過作業以外にも色々な機能を持っている。その一つが、体液量やイオンバランスの調節、その他血圧のコントロール、造血ホルモンの調整、カルシウムの調整や骨を丈夫にする機能等々の働きを持っている。以上のように腎臓は様々な働きをしているため、その機能が低下すると、体内に老廃物や水分が溜まるだけではなく、赤血球が不足して、貧血や体の疲れが出て来る。ビタミンDが活性化されず、骨が脆くなり骨折しやすくなると言った様々な問題が起こる。

腎臓機能が低下して、eGFRが10以下になった場合、透析へと移行するわけであるが、透析にも色々な方法が考えられる。一般的には血液透析であるが、医学の進歩で最近、腹膜透析という方法も始まった。もう一つは腎臓の臓器移植である。血液透析は通院により、週3回、1回につき4時間を必要とする。何れも病院処置となる。これは一度始めると命ある限り中止することは出来ない。次の方法として腹膜透析という方法であるが、これは自分の腹腔を利用して血液を透析する方法であり、自宅で、しかも自分で出来るというメリットがある。もう一つの方法は他人の腎臓を移植する方法であるが、この場合は腎臓を提供する人を見付けることが大変であるとのこと。何れの方法も透析を始める前に数か月程度の準備期間が必要である。

 血液透析の場合は血液を出し入れする血管を手術によって太くするため、入院が必要である。腹膜透析の場合には腹膜にチューブを挿入して透析用の液体を腹腔内に注入し、必要な時間を経過してから液体を体外に取り出す方法である。腹膜透析の場合も、事前に入院によって、腹部にチューブを挿入しておく必要がある。最近のデータによれば日本人の血液透析患者数は、現在約33万人、腹膜透析患者数は約1万人程度と言われている。自宅で出来る腹膜透析患者数が伸びないのは何故か知りたい所である。現状では腹膜透析を取り扱っている病院の数が非常に少ないのが原因の様である。私は現在循環器科では心臓の検査、ペースメイカーの調整等、泌尿器科では前立腺がんの治療、腎臓内科では慢性腎炎の治療を受けており、月3回は通院するという毎日である。更に最近は食生活でも腎不全対策としての減塩、摂取水量の制限等厳しい生活を余儀なくなれている。人間超高齢になると身体の彼方此方機能が痛んでくるのはやむを得ないことであろう。私の場合、腎臓機能は数年前から機能数値は低下していたが、この種機能は特に日常生活に異常が出るとか苦しみが出るということはなく、気が付けば"既に時遅し"という結果となる。高齢者の皆さん、是非手遅れにならないように早めに検査をして置きましょう。

 私は自分自身について、よくもここまで生きてこられたものだと感心している次第ですが、彼方此方の臓器の痛み具合を考えると、我が"人生も終焉が近くなったのか"と内心秘かに思い悩んでいる処です。つい最近になって、未来の住処となる墓地も出来上がり、人生終焉の準備は完了。しかし、生命ある限り、残りの人生を十分に堪能して楽しみたいと思っている次第である。                                                                                                                                                                                        以上